JKメイドの夢、あるいは野望

 そろそろ時効なので書いてみようと思う。
  とあるメイドちゃんのお話

  途中まではちょっと自慢ぽくなるが間違いなく自慢です。
  まあオチの伏線でもあるのだが。

 

 でははじまりはじまり~

 

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  初めてメイド喫茶に行ったのはもう10年近く前。リアルのワイを知ってる方ならご存知の通り10年前でも今とさほど変わらん、なんの取り柄もない特徴もないオッサンですわ。
 そんなオッサンがメイド喫茶行って話が合うわけもない、浮くだけやんって思ってたわけよ。
 

 じゃあなぜ行ったのか。

  若い女の子が好きだからだよ!言わせんな。

 ただチキンとしてはマーティーマクフライカーネル・サンダースと肩を並べるレベルのワイである。コンカフェ行くにも理由付けってのが必要で。ええ、めんどくさいタイプです。
 当時小説など書いていたのでそのネタだ、そうネタ集めのために1回だけ、と自分に言い訳し覚悟を決めて行ったわけや。

 さて、行ってみたらそこらの地下アイドルよりもよっぽどかわいいJKが2人。
 そして!
 さすが接客業!

 お話してくれるよ!
 楽しいよ!
 トライアングラー歌ってくれるよ!

  そうして1回だけのはずがまた翌週もその翌週もコンカフェに向かうワシやった。

 4回目に行ったときのこと。ふとある展覧会の話が出て「ワイ行くねん」言うたら
そのJKメイドちゃんの一人が「私も行きたい!」って言うねん。
 黒髪ロングで、キレイな歯並び。笑うと小さめの八重歯が覗く愛らしい子やった。

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本人の写真はさすがに出せん。ネットで拾ったイメージ

 いやいやわかってる。誘ってるわけやない。こんな美少女JKメイドちゃんがこんなオッサンとプライベートで会うわけないやんけ!と内心で自分に言い聞かせるワイ。
「じゃあ万一現地で会ったらお茶くらい奢るね」と完璧な返答

 しかーし。ワイの耳に飛び込んできたのは次のセリフだった。
「えー!一緒に行こうよ」


 え?
 なんですって?
 

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ワシの心の中

 これはイケメンにーちゃんにだけ許された店外デートってやつ?

 

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 ここでちょっと寄り道。なぜこんなただの冴えないオッサンが店外デートできたのかについて考察してみた。

 コンカフェ客の大半はオッサンなんよね。
 そんなオッサンたちの身なりがまずヒドい。首元よれた何年着てんねんっていうシャツだったり、ええ歳こいて萌えアニメTシャツ着てたりサイズ合ってないジーパンだったり、まあ一般社会では通用しなさそうなファッション。オマケに髪は薄いかボサボサ、ダメ押しのように無駄に太ったやつが多くて。
 そして会話力も破滅的。自分のことばかり話して、それも偉そうに上から目線。実生活では誰にも相手にされていない無能なおじさんが唯一偉そうにできる相手がJKメイドなんやろなっての透けて見える。

 いや、普通に女の子と付き合えるような人はコンカフェ来んわな。さらにキャバクラ、ガールズバーに行く金もない層がメインやし。
 まったくもってコンカフェは予想以上に社会不適合者、底辺の巣窟だった。

 たまにいる若者もコンカフェ来てる時点でもうコミュ力に難ありで。下心丸出しなのが傍目に滑稽なレベル。毎日そんな性的な視線や露骨な誘いにメイドちゃんたちは思ってる以上にうんざりしてるのを後に愚痴とし聞いた。

 そんな客ばかり相手してたら清潔感ある服、常識ある振る舞いかできれば相対的に「いいお客さん」と好感くらいは持ってもらえるわけで。

 後はアニメやアイドルだけじゃない話題も持っていればなおさら。

 そのへんが勝因だったのかなと思っている。この子だけやなく計5人、コンカフェの子とプライベートで会うようになったんやからまあさほど間違ってないと思うねん。

(ここで自慢終了)

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 さて話を戻そう。

 それから2人で遊びに行くようになった。

 

 そしてその子の生誕イベントの日が来た。
 メイド喫茶でのイベントは夕方に終わってその後待ち合わせしてご飯に行ったんよ。


 個室ダイニングでご飯食べながらJKメイドちゃんとうふふと会話してたわけさ。
 その時メイドちゃん、ちょうど大学決まって大学生活楽しみみたいな話題になって
「大学行ったらやりたいことあるんだ」と若者らしく抱負を語り始めた。
 うんうん、若者が夢を持つのはいいことだしね。


「まずね、1000人と寝るの」

はいっ?

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「1000人達成したらね、次は女の子とするの」

はいっ?

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「そしたらさ、神になれると思わない?」

 えーと

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 その後ワイのつまらん意地から関係切れてしもうたんやが今でもふと思うんよね。
  あの子は神になれたんかな、って。


  おや?ここで板橋区の「板橋なのに練馬大根」さんからのお便りです。「そこまで自慢するからには彼女が神になるための1000分の1の相手になったんですよね?」

 ふふ・・・
 ふふふふ・・・

 な・れ・ん・かったわああああああああぁぁぁ!!!(伏線回収)

 オッサンはどこまでいってもオッサン。話し聞いてくれて美味しいご飯奢ってくれる存在以上にはなれんのよ( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)

 でも。

 でもね。あの子は(手段はともかくとして)神になってるといいな、と思う。
 なんにでもなれそうな少女が神話になるなんて素敵なことじゃない。ね?

 

 おしまい